教育

なんとかして子どもに宿題をやらせたい!親御さんへ、子どもにやる気を起こさせる方法

投稿日:2020年4月29日 更新日:

私は個人的にいろいろな相談を受けていますが、その中に多いのがこれです。
「子どもが宿題をしない、どうしたらするようになるでしょうか?」
親御さんにとってはかなり心配のようです。
私は、「やらされる勉強」や宿題には百害あって一利なし やりたくなければやらなくていい、むしろ宿題がなくなったほうが子どもは主体的に勉強します。
子どもたちを「やらされる勉強」からの解放を!という考えです。
もちろん、やりたくない宿題をさせられるのと興味のあることを勉強するのはまったく違います。
宿題なんかするよりも、子どもたちなもっと素晴らしい考え方や学び方ができるのです。
その理由はこちらの記事を見てください。

やる気が出ないのは宿題の出し方に問題がある

まずは子どもが宿題をするしないの前に、学校からの宿題の量と出し方がが問題だと思います。
問題点は全員一律の課題が出されていることです。一人ひとりのペースとは無関係に、全員一律の課題が出されていることです。
特に、発達障害の子には、学校からの配慮はあるとは思いますが、とても辛い宿題になっている場合も多いと思います。
このような子に一律に行われる宿題は、ものすごく苦痛です。
さらに、その宿題が親のイライラを募らせる要因になっている場合もあります。
子どもが宿題をしないと、子どものやる気のない態度を見ると親が不安、不満になり、親はさらにイライラを募らせてしまいます。重要なことは、子どもが勉強のやる気がでない自分を否定しないことです。なので、親が子どもが勉強しないことを否定することは絶対にやってはいけません。
最も大事な要素が「やりたい!」という欲求があることです。
出された宿題がそう思えるかどうかが、まず重要だと思います。
もし私がこの休校期間中に出すとしたら、宿題はこの2つにします。
コロナ対策による臨時休校で学校が今できうる子どもたちへの対応策

なぜ子どもは宿題をやりたくないのか?

親は子どもが宿題や勉強をしていないと、「どうして勉強しないの?」とよく言います。よく言います。
でも、なぜ勉強しないといけないのか、なぜ子どもが勉強したくないのかは、あまり考えたことがありません。
あなたは、なぜ勉強しなければならないのか、子どもさんが納得できるまで説明できますか?
子どもが勉強をするやる気にならない理由はこうです。
・勉強をする目的があいまい わからないから
やらされる宿題なんて誰もやりたくないです。
友達と遊んだり、自分で楽しいことを我慢して勉強しないといけない状態が続くと「なんで我慢してまで勉強しないといけないのか」と感じます。
これでは、やる気がなくなるのも当たり前です。
・自分の能力に合っていない難しい問題や量が出されているから
これは宿題に限ったことではなく、難しい仕事や問題を与えられてもやる気は起きません。難しい宿題、分からない問題から勉強を始めると、そこで思考停止します。
わからないことが多くて混乱し、モチベーションは急降下します。
自分のキャパシティを超えた量を見ただけで、やる気はゼロです。
・親が「できること」を求め過ぎているから
親の持っている子どもへの期待感、親の理想と今の子どもさんの(宿題をしていない)姿とのギャップが大きくなると、親はイライラします。そうやって、無意識のうちに「親が勝手にハードルをあげすぎる」場合が多いです。

それでも、なんとかして子どもに宿題をやらせたい!

子どもさんの状態にもよりますが、全くやろうとしない、問題集やプリントも出す気もない、親が言うと少しはやる、本人の意志で宿題を始めると、短い時間なら取り組むなど、子どもさんの宿題に向かう態度が違うと思いますので、個別のアプローチが必要です。
ですが、ここでは、「こんなことやってみたらどうですか」と、難易度が簡単なことから書いていきます。
こんな方法ならどうでしょうか。

全くやろうとしない場合

・最も重要なことは、本人がやる気になるのを待つしかないです。
やらされる宿題には百害あって一利なしです。「やりたくなければやらなくていい」と、親が決めることしかないです。
ちょっとでも宿題に向かおうという姿勢が見えたら、「やるなあ、すごいなあ」と言ってあげたら意欲はアップします。
やり始めたら取り組むなら、ちょっとでもやろうとする姿勢を感じたら、そこを褒めてあげましょう。
やっている姿を見るのではありません。
・怒る、無理やりやらせると、当然やる気をなくします。
「なんで宿題やらないの?」は最悪です。禁句です。子どもが勉強のやる気が出ないのには、ちゃんとした、ちゃんとした理由があります。
それなのに、「なんで宿題やらないの?」なんて言われると、余計にやりたくなくなります。親の顔を見るだけで嫌になります。逃げたくなります。
だから、絶対に言ってはいけません!
・親や家族がハードルを上げてはいけません。
 親が期待を大きくしてはいけません。
 その期待が負担になり、できないと自己肯定感を下げ、自信を失います。自己罪悪感、自己否定が始まります。
 それは宿題だけで止まらなくなります。
・宿題を机の上に置くだけでOK
それだけで、「すごいなあ、自分で準備して」といえますよね。
その後、宿題をしなくてもOKです。それだけできたのですから立派です。
やる、やらないで見るのではなく、その姿勢を感じただけ、見せただけで満点ですよ。

ちょっとくらいならやっている場合

ちょっとくらいならやっている。素晴らしいじゃないですか!自分でやろうとしてやり始めている。
私はもうこれで十分だと思います。
この段階で100点満点、花丸をあげていいです。
・単純な問題、簡単にできそうな問題から始める
やる気にならないのは、難易度の高い問題に向かうからです。できない問題はどんどん飛ばしましょう。できそうな問題からやればいいです。
1ページから順番にしなくてもいいです。面白そう、やってみようと思った問題だけやったらいいです。
・勉強時間内で解ける問題だけに取り組む
問題を難問するかとかプリントを何枚するかではなく、時間を決めて時間が来たら止めるという方法です。
5分でも10分でもいいので、その時間だけ向かってみる。時間がきたら問題を解いている途中でもやめる。
実は、この「途中やめ」って結構効果的です。中途半端な状態は気持ちが落ち着きません。なので、「これが終わるまではやってみよう」という気持ちになるものです。
・親もいっしょに勉強する、またはそばで見ている
これが、結構効果的だったりします。自分の部屋でやるよりもリビングで勉強した方がいいというのもこのことです。
親もいっしょに宿題に向かい、「これ、難しいなあ、学校でこんな難しいことやってんの。〇〇くん、よ~やっとるなあ。」「お母ちゃんもここ分からんけ、〇〇くん、教えてくれん?」と聞くのもいいです。
親が子どもに勉強させようとするのではなく、子どもに問題の解き方を教えてもらうようにした方がいいです。
実際にやってみたら分かりますが、子どもがやっている宿題は結構難しいですよ。
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・勉強したという事実を可視化する
自分でやったことを見ると自信につながります。「これだけがんばってきたんだ」という実感が感じられます。
なので、それを実感するには、日々勉強したことを可視化すると効果的です。
「がんばりシート」とか「天才への攻略ノート」とか「やったぜスタンプ」など、楽しみながらチェックやハンコ、シールなどを貼ってみるといいです。日記などが書けたらいいですが、それも親が要求することはやめた方がいいです。
それよりも、親は「子どものがんばり記録」を作ってあげて、「やったこと」のみ褒めるのが効果的です。
・やったという行為を褒める、認めてあげること
正解したとか、上手にできたとか、点数がよかったことに対してもですが、取り組んだこと自体、勉強をしたという事実を褒める、認めること。
「よくやったね」「お母ちゃんはこの問題できんかったけど、〇〇くん、がんばったなあ」と言ってあげる。
できるできないではなく、「やった」という事実に意味があります。
・親も加点方式で子どもを観る
子どもが勉強をしていないこと、ダメな部分は見ないことです。親はできたこと、やったという事実、よかったことを見つけるようにしましょう。できなかった問題があってもOKです。それよりもできたことのみに目を向けてください。
そして、親が言いがちな言葉があります。これよく言っていますよね。
・「これができたから次はこれやってみよう」といわない方がいい。
問題が1つできたら次もやらせたい、続けてやらせたいと思います。しかし、それは親が勝手に作ったハードルです。
子どもは、1つやったことで達成感を感じています。そこで「ぼくはよくがんばってやった」という自信も持っています。そこにさらなる親からの要求がだされると、「まだやり足りないのか」と子どもは感じます。
その次もやるかどうかは親が決めることではなくて、子ども本人が決めることです。
面白そうだからもうちょっとやってみよう、次の問題が楽しみに思えば、子どもは自分でやり始めます。
本人がやった結果のみを見て、親から要求は一切出さないでください。
この上に書いた「全くやろうとしない場合」、本人がやる気になるのを待つしかないです。

宿題をさせるよりも大事なこと

あとは、親が宿題を最優先に考えないことが大事です。親がそう考えると、子どもは勉強をしないことに罪悪感を感じます。自分で自分を責めるようになります。
自分のすきなことを思いっきりさせてあげる方がいいです。私は自由に遊ぶ時間の方が何百倍も大事だと思っています。
自分で考えて、自分で決めたことをすることが大切です。
その中に宿題が入ることもある(かもしれない)と思いますので、宿題は、気が向いたらやる程度でOKです。
親が「宿題ができなくてもダメだ」と思わないこと、子どもが毎日元気に過ごしているだけで幸せではないでしょうか。
自分のやりたくないことを無理してやらされるよりも、自分のできることを伸ばしていくこと、それが自分で考える力にもつながっていきます。
それが自信となって、苦手なことにもちょっとやってみようかなという思いが出てくるはずです。
本人の決めたことを見守り、やったという事実を認めてあげることですね。
今私が考えられることを書いてみました。
休校中なので、ゆっくり休ませてあげることも大事なことですよ。
休校後に、どこでどう過ごすかもゆっくり考えたらいいです。子どもさんの「今をありのまま」に受け止めて、寄り添うことが何よりも大切なことです。
焦りは禁物、焦っては、親御さん委とっても本人にとっても決していいことはありません。

ええ!連休の分まで宿題をせんといけんの??

各学校でどんな形で宿題を出しているのか分かりませんが、やらせっぱなしになると思います。
それを児童生徒が休校明けにどっさり学校に持ってこられても、教員もチェックできないのではないでしょうか。
なので、やり残しがいっぱいあってもOKです。全くしなくてもいいです。遊びまくったらいいです。
てゆうか、GWの分まで宿題を出しているのでしょうか?
鳥取県の場合は、休校は4月27日、28日、30日、5月1日の4日間で、そのうち1日は遠足に充てていました。
だから、出すとしても、3日分の宿題で十分です。GWが3日長くなっただけのことなので、宿題は出さなくても、やらなくても何の影響もありません
多くて1日30分計算で、90分でできる分量で十分です。それもできる量が個別に違うので一律で同じ宿題を出してもやる気は出てきません。
以下、宿題や勉強に関連したことを書いていますので、読んでみて参考になりましたらうれしいです。
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この他、子どもさんのこと、学校との関係など、心配なことがありましたら、お気軽にご相談してください。
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